相続事例紹介 ケース5
Q:金使いが荒く親から信用されていない妹。 すでに生前贈与も済んでいるけれど、将来のために住むところだけは考えてあげたい。どうすればいい?
A:高齢両親の意向を汲んだうえで相続対策にもなる遺言書を作成できます!
◆相談内容
ご相談者:松野さん(40代女性・仮名)
ご高齢の両親をもつ40代女性松野さん。80代前半の父親に病気が見つかり、入院手術の後、現在は落ち着かれていますが、相続が心配とのことで相談にいらっしゃいました。松野さん、2つ下の妹さんと母親、3人が相続人となります。
父親の財産は総額1億500万。内訳は、自宅の土地・建物約2500万円、所有しているアパート約5000万円、空地約2500万円で3つの不動産を所有しています。金融資産は500万円で、生命保険には入っていません。
円満な相続を希望されていますが、妹さんが心配の種だそうです。
実は金融資産が少ない理由が、独身の妹を心配した父親が退職金や家賃収入で貯めたお金5000万をすでに贈与しているからとのことです。相応の贈与が済んでいるため父親もこれ以上は渡さないと言ってはいるものの、現在は都心で働きながら賃貸で暮らしている妹が将来働けなくなった時を心配して、住むところには困らないよう家を妹に相続させたい気持ちだそうです。また、松野さんに、家賃が入る不動産と空き地を残したいとのことです。
◆対応策
すでに妹への現金の贈与が済んでいるため、父親が遺言書を作成することで希望通りの相続にすることが可能です。全財産を松野さんにしてしまうと妹から遺留分侵害請求をされる心配があるため、自宅に母親が住み続けられるように配偶者居住権を設定するよう配慮した上で妹名義とすれば遺留分に抵触しない割合になります。また、今回妹が家を相続すると小規模宅地等の特例が使えるため節税対策にもなります。
公正証書遺言の作成をはじめとする相続対策は相続実務士へご相談ください。
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